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ボディペイントの始め方完全ガイド|基本知識・必要な道具・練習方法

ボディペイントの始め方完全ガイド|基本知識・必要な道具・練習方法

「サッカー日本代表戦、頬っぺたに国旗を描いて応援したい!」 「ハロウィンの仮装、衣装だけじゃなくて顔にも本格的なゾンビメイクを施したい」

イベントやスポーツ観戦の会場で、顔や腕にカラフルなペイントをして盛り上がっている人たちを見て、「楽しそうだな、私もやってみたいな」と思ったことはありませんか? タトゥーシールも手軽で良いですが、その場のノリで自由にデザインを変えたり、立体的な表現をしたりできる**「ボディペイント(フェイスペイント)」**には、シールにはないライブ感と創造的な楽しさがあります。

しかし、いざ始めようとすると、「どんな絵の具を使えばいいの?」「普通のポスターカラーじゃダメなの?」といった疑問や、「肌荒れしたらどうしよう」「落とすのが大変そう」という不安が湧いてくるものです。

私自身、初めてボディペイントに挑戦した時、知識がなく文房具のアクリル絵の具を使ってしまい、乾いた後にパリパリにひび割れて肌が突っ張り、落とす時にはゴシゴシ擦って顔が真っ赤になってしまったという苦い失敗経験があります。 「肌には肌専用のものがある」という当たり前のことを知らなかった代償は大きく、しばらくヒリヒリした肌を冷やしながら猛反省しました。

ボディペイントは、正しい道具と知識さえあれば、誰でも安全に、そして簡単に楽しむことができます。 絵心がなくても、「型(ステンシル)」を使えばプロのような仕上がりになりますし、正しい落とし方を知っていれば肌への負担も最小限で済みます。

この記事では、これからボディペイントを始めたい初心者の方に向けて、絶対に知っておくべき基本知識から、揃えるべき道具、そして失敗しない描き方のコツまでを完全ガイドします。 自分の体をキャンバスにして、世界に一つだけのアートを描く楽しさを体験してみませんか?

ボディペイントの基礎知識:何が違うの?

まずは、「肌に描く」ということの基本を押さえましょう。ここを間違えると、肌トラブルの元になります。

「画材」と「ボディペイント用」の決定的な違い

文房具店で売っているアクリル絵の具やポスターカラーは、紙やキャンバスに描くためのものです。 これらを肌に塗ると、乾燥すると収縮して皮膚を引っ張ったり、毛穴を塞いで呼吸を妨げたりします。また、顔料に含まれる成分がアレルギーを引き起こす可能性もあります。 必ず**「化粧品登録されているもの」「皮膚貼付試験(パッチテスト)済み」**の専用絵の具を選んでください。これらは肌の動きに合わせて伸縮し、通気性も確保されています。

絵の具の種類:目的に合わせて選ぶ

ボディペイント用の絵の具には、大きく分けて3つのタイプがあります。

種類特徴メリットデメリットおすすめシーン
水性水で溶いて使う固形タイプ水だけで描けて、落とすのも簡単。発色が鮮やか。汗や雨に弱い。スポーツ観戦、キッズイベント
油性(クリーム)ドーランのような練り状汗に強く、カバー力が高い。混色しやすい。ベタつきやすく、パウダーが必要。落とすのにクレンジング必須。舞台、ハロウィン、長時間のイベント
アルコール性専用液で溶かすタイプ最強の耐久性。擦っても落ちない。扱いが難しく、専用リムーバーが必要。特殊メイク、海やプール

初心者の方は、扱いやすく肌への負担が軽い**「水性タイプ」**から始めるのがおすすめです。

初心者が揃えるべき「基本の道具」チェックリスト

形から入るのも大切です。これだけあればすぐに始められるスターターキットをご紹介します。

1. ボディペイント用絵の具(3原色+白黒)

たくさんの色を買う必要はありません。「赤・青・黄・白・黒」の5色があれば、混ぜてほとんどの色が作れます。パレット付きの固形水性絵の具セットが便利です。

2. 筆(フェイスペイント用ブラシ)

画材用の筆でも代用できますが、ナイロン製のコシがあるものが描きやすいです。

  • 丸筆(細・中): 線を描く用
  • 平筆: 面を塗る用 この2種類があれば十分です。

3. スポンジ

広い範囲(顔全体など)を塗る時に使います。メイク用のスポンジを半分に切ったものでOKです。叩き込むように塗ることで、ムラなく綺麗に仕上がります。

4. ステンシル(型紙)

「絵心がない」という人の救世主。 ハートや星、動物などの形に切り抜かれたシートです。肌に当てて上からスポンジでポンポンするだけで、誰でも完璧な形が作れます。100均でも手に入ります。

5. グリッター(ラメ)

仕上げに振りかけるだけで、クオリティが爆上がりします。 絵の具が乾く前に乗せると定着します。目元に使う場合は、目に入らないようジェルタイプが安全です。

失敗しない!基本の描き方と練習ステップ

道具が揃ったら、実際に描いてみましょう。いきなり顔に描くのではなく、腕の内側で練習するのが上達への近道です。

ステップ1:下準備(脱脂と保湿)

肌の油分が多いと絵の具が弾き、乾燥しすぎていると色が乗りません。 洗顔後、さっぱりタイプの化粧水で肌を整え、表面がサラサラになった状態で始めます。乳液やクリームは塗らないでください。

ステップ2:スポンジで「ベース」を作る

広い範囲を塗る場合、筆ではなくスポンジを使います。 スポンジに少量の水と絵の具を含ませ、**「こする」のではなく「垂直に叩く(タッピング)」**ように色を乗せます。 薄く重ねていくことで、ムラのない綺麗なベースが出来上がります。

ステップ3:筆で「ライン」を描く

細かい模様や輪郭線を描きます。 筆に水分を含ませすぎると、液垂れして滲んでしまいます。手の甲で水分量を調整し、**「クリーム状」**の硬さにするのがコツです。 小指を肌につけて支点にすると、手が震えずに安定して線が描けます。

ステップ4:ステンシルで「模様」を入れる

ステンシルシートを肌に密着させ(隙間がないように!)、水分少なめのスポンジで上からポンポンします。 シートを剥がす時は、横にズラさず**「垂直に」**持ち上げると、縁が滲まずくっきり仕上がります。

よくある失敗と解決策(Q&A)

Q. 乾くとひび割れてきてしまいます。

A. **「塗りすぎ」が原因です。 厚塗りすればするほど、皮膚の動きについていけず割れてしまいます。「薄く、均一に」を意識してください。 また、絵の具に「グリセリン(薬局で買えます)」**を一滴混ぜると、保湿力と柔軟性が増して割れにくくなります。

Q. 汗で流れて服につきそうです。

A. 水性絵の具の弱点ですね。 仕上げに**「メイクキープミスト」「フィキシングスプレー(定着剤)」**を吹きかけることで、ある程度の汗や摩擦は防げます。 どうしても崩したくない場合は、油性のドーランを使うか、デザインの周りにベビーパウダーをはたいてサラサラにしておきましょう。

Q. 色が肌に残って落ちません!

A. 濃い色(特に赤や緑)は色素沈着しやすいです。 いきなり石鹸で洗わず、まず**「クレンジングオイル」「コールドクリーム」**をたっぷりと馴染ませ、色を浮かせてから拭き取ってください。 それでも残る場合は、無理に擦らず、数日かけて自然に落ちるのを待ちましょう(ターンオーバーで落ちます)。

まとめ|肌は一番身近なキャンバス

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

ボディペイントは、特別な技術を持った人だけの遊びではありません。 ステンシルを使えば子供でも楽しめますし、ワンポイントのハートを描くだけでも、イベント気分は最高潮に達します。

「失敗したら洗えばいい」 その気楽さが、ボディペイントの最大の魅力です。

次の週末は、絵の具と筆を持って、鏡の前の自分を自由に彩ってみてください。 いつもと違う自分の顔に、きっと新しい発見があるはずです!

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