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プロ直伝!タトゥー隠しメイクテクニック7選|失敗しないコツ

プロ直伝!タトゥー隠しメイクテクニック7選|失敗しないコツ

「シールだとどうしても貼ってる感がバレてしまう」 「肌の色が微妙に合わなくて、絆創膏みたいに浮いて見えた」

タトゥーを隠す手段として、テープやシールは手軽で便利ですが、至近距離で見られる場合や、広範囲の肌を露出するドレスなどを着る場合、どうしても「異物感」が拭えないことがあります。 そんな時、最終的に頼りになるのが「メイク(化粧)」によるカバーです。

しかし、いざ手持ちのコンシーラーで隠そうとしてみると、思わぬ壁にぶつかります。 何度塗り重ねても黒いインクが透けてグレーっぽく濁ってしまったり、時間が経つと服に擦れて汚く崩れてしまったり。「やっぱりプロじゃないと無理なのかな」と、鏡の前でため息をついた経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、タトゥー隠しメイクは、普段の顔にするメイクとは全く別の「ロジック」が必要です。 顔のシミやクマを隠す感覚で挑むと、ほぼ間違いなく失敗します。タトゥーの濃い色素を消すためには、色彩学に基づいた「色の打ち消し」と、特殊メイクに近い「層(レイヤー)の作り方」を知らなければなりません。

私自身、友人の結婚式で背中のタトゥーを隠すためにメイクさんに頼んだことがあるのですが、その手際の良さと仕上がりの自然さに衝撃を受けました。「塗る」のではなく「作る」感覚に近いその職人技を見て、自己流メイクとの決定的な違いを痛感したのです。

この記事では、その時に学んだプロの技術と、実際に私が試行錯誤してたどり着いた「絶対に失敗しないメイクテクニック」を7つ厳選して伝授します。 特別な道具を買い揃えなくても、手順とコツさえ掴めば、誰でも「素肌のような仕上がり」を作ることができます。これをマスターすれば、シールが貼れない関節部分や、微妙な肌色の調整が必要なデリケートな場所も、自由自在にカバーできるようになりますよ。

なぜ自己流メイクは失敗するのか?プロとの決定的な違い

テクニックの話に入る前に、まず「なぜ普通に塗ると隠れないのか」という理由を知っておきましょう。ここを理解するだけで、メイクの成功率は5割増しになります。

「肌色」を塗ってもタトゥーは消えない

多くの人が陥る罠がこれです。黒や濃い青のタトゥーの上に、いきなり肌色のコンシーラーを塗っていませんか? 黒の上にベージュを重ねると、色は混ざり合って「灰色(グレー)」になります。これが、遠目から見た時に「あそこだけ色が悪い」「アザみたいに見える」原因です。 プロは肌色を塗る前に、必ず**「補色(反対色)」**を使って、タトゥーの主張を打ち消す作業を行います。

「塗る」のではなく「置く」

普段のファンデーションのように、スポンジを横に滑らせて伸ばしていませんか? タトゥー隠しにおいて「伸ばす」動作は厳禁です。伸ばすとカバー層が薄くなり、下のインクが見えてしまいます。 必要なのは、絵の具をキャンバスに乗せるように、トントンと叩き込んで**「厚みのある層を作る」**技術です。この意識を変えるだけで、カバー力は劇的に変わります。

プロ直伝!タトゥー隠しメイクテクニック7選

それでは、実際にプロの現場でも使われている、鉄壁のカバー術を工程順にご紹介します。

1. 【下準備】アルコールでの「完全脱脂」

メイク崩れの最大の原因は、肌に残った油分です。 どんなに強力なコンシーラーを使っても、土台が脂っこいとすぐに浮いてきてしまいます。 メイクを始める前に、必ず**「消毒用アルコール(アルコール綿)」**で隠したい部分を拭き取ってください。なければ石鹸で洗うだけでも構いません。化粧水や乳液は絶対に塗らないこと。肌をキシキシするくらい乾燥させた状態にすることが、長時間キープの第一歩です。

2. 【色消し】「オレンジ」の魔法を使う

ここが最大のポイントです。 黒や青のタトゥーを打ち消す色は**「オレンジ(または赤)」**です。 肌色のコンシーラーを塗る前に、オレンジ色のコンシーラー、もしくは口紅(マットな赤リップ)をタトゥーの上に塗り込みます。 「え、真っ赤になっちゃうけど大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、これで正解です。この赤い層がフィルターとなり、上から肌色を重ねた時に、下の黒色が透けるのを防いでくれます。

3. 【塗り方】指の腹での「スタンプ塗り」

オレンジの上から、自分の肌色に合った(少し暗めの)硬めのコンシーラーを乗せていきます。 この時、指の腹を使って、**上から垂直にトントンと叩き込む(スタンプする)**ように乗せてください。絶対に横に擦ってはいけません。下のオレンジと混ぜるのではなく、オレンジの上に肌色の蓋をするイメージです。 指紋の凹凸が適度なテクスチャとなり、より肌に近い質感になります。

4. 【定着】パウダーの「ミルフィーユ構造」

一度塗っただけでは、まだ不十分です。崩れない最強の層を作るために、**「コンシーラー → パウダー → コンシーラー → パウダー」**と、薄い層をサンドイッチのように重ねていきます。 間にパウダー(ベビーパウダーやフェイスパウダー)を挟むことで、油分が固定され、摩擦に強くなります。厚塗り感を出さずにカバー力を上げるには、一回で厚く塗るより、薄く3回重ねる方が圧倒的に綺麗で長持ちします。

5. 【馴染ませ】境界線の「グラデーション処理」

タトゥーの部分だけ完璧に隠せても、塗った場所と素肌の境界線がくっきりしていると「ここに何か塗ってます」とバレてしまいます。 隠し終わったら、塗ったエリアのフチ(輪郭)だけを、何もついていないスポンジや綿棒で外側に向かってぼかしてください。中心部は触らず、フチだけを薄く伸ばして素肌に溶け込ませる。このひと手間で、リアリティが段違いに増します。

6. 【質感】水スプレーで「粉っぽさ」を消す

パウダーを重ねると、どうしても肌が粉っぽくなり、マットすぎて不自然に見えることがあります。 仕上げに、**水を入れた霧吹き(または化粧水ミスト)**を遠くからシュッとひと吹きしてください。 そして、ティッシュで優しく押さえる(擦らない!)。 これにより、粉が水分を含んで肌に密着し、自然なツヤが生まれます。同時に定着力もアップするので、一石二鳥のテクニックです。

7. 【最終防御】ヘアスプレーで「皮膜」を作る

これは裏ワザ中の裏ワザですが、絶対に服を汚したくない時の最終手段です。 全てのメイクが終わって乾いた後に、髪を固めるための**「ハードスプレー(ケープなど)」**を、20cm以上離してサッと吹きかけます。 強力な皮膜ができ、汗や擦れからメイクを守ってくれます。ただし、肌への負担は大きいので、敏感肌の方はメイクキープミストで代用するか、特別な日だけの限定技にしてください。

よくある失敗例とリカバリー方法

プロの技を使っても、慣れないうちは失敗することもあります。よくあるトラブルの対処法を知っておけば、焦らずに済みます。

失敗1:フラッシュでそこだけ白く光る

結婚式などでよくある失敗です。原因は、日焼け止め入りのコンシーラーや、パールの入ったパウダーを使っていること。 対策: フラッシュ撮影がある場合は、**「マットタイプ(つや消し)」**のコスメを選んでください。また、仕上げのパウダーも「ルーセント(透明)」ではなく、色のついた「オークル系」を使うと白浮きを防げます。

失敗2:時間が経つとひび割れてくる

厚塗りしすぎ、または乾燥が原因です。 対策: ひび割れてしまったら、上から塗り直すのはNG。汚くなるだけです。 少量の乳液やワセリンを指に取り、ひび割れた部分に優しく馴染ませてボカすか、潔くその部分だけ拭き取ってやり直す方が早いです。予防策としては、関節部分などのよく動く場所には、メイクではなく「シール」を選択する判断も必要です。

失敗3:色がどうしても合わない

市販のコンシーラー一色で合わせようとするのは至難の業です。 対策: 「パレット」を作る感覚を持ちましょう。 手の甲をパレット代わりにして、明るい色と暗い色を混ぜ、自分の肌色を作ります。特に、夏場は日焼けで肌色が変わりやすいので、2〜3色のコンシーラーを持っておき、その都度調合するのがプロのやり方です。

まとめ|メイクは「隠す」だけでなく「魅せる」手段

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回ご紹介した7つのテクニックは、最初は工程が多くて難しく感じるかもしれません。「こんなに手間をかけなきゃいけないの?」と思うこともあるでしょう。 でも、一度やってみてください。 ただ塗るだけだった時とは比べものにならないほど、自然に、そして強力にタトゥーが消える瞬間に感動するはずです。

この技術を身につければ、シールが手元になくても、ドラッグストアにあるコスメだけで緊急対応ができるようになります。 「いざとなれば、自分の腕一本で隠せる」 その自信は、タトゥーと共に生きていく上で、とても大きな安心材料になります。

メイクは、単にタトゥーを隠す作業ではありません。 あなた自身を、TPOに合わせて自由にプロデュースするための魔法です。 ぜひ、今度の休日にでも練習してみてください。きっと、「これなら大丈夫!」と思える仕上がりが手に入るはずです。

あなたの肌が、どんなシーンでも美しく、堂々としていられますように。

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