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タトゥー隠しと日焼け止めの併用はOK?正しい使い方3選|絶対に剥がれない最強の日焼け対策

タトゥー隠しと日焼け止めの併用はOK?正しい使い方3選|絶対に剥がれない最強の日焼け対策

ジリジリと照りつける太陽、肌を焦がすような日差し。 夏フェスや海、BBQなど、外で遊ぶのが楽しい季節ですが、タトゥーを入れている私たちにとっては「紫外線」という見えない敵との戦いでもあります。

「タトゥーに日焼けは大敵」というのは、彫り師さんから必ず言われる注意事項ですよね。紫外線はインクを分解し、せっかくのアートを色褪せさせたり、輪郭をぼやけさせたりしてしまいます。だからこそ、日焼け止めは必須アイテムです。

しかし、ここで大きな問題が発生します。 「隠さなきゃいけないからシールを貼りたいけど、日焼け止めも塗りたい。どっちが先?」 「日焼け止めの上からコンシーラーを塗ったら、ヌルヌルして全然色が乗らなかった…」

そんな失敗をしたことはありませんか? 実は私も、お気に入りのタトゥーを守りたい一心で、クリームタイプの日焼け止めをたっぷり塗った上からファンデーションテープを貼ったことがあります。結果は悲惨なものでした。貼ったそばから端がめくれ上がり、結局テープはゴミ箱へ。その日は一日中、長袖を着て過ごす羽目になりました。あの時の「良かれと思ってやったのに」という徒労感は、今でも苦い思い出です。

結論から言えば、タトゥー隠しアイテムと日焼け止めの併用は「OK」です。 ただし、それには**「正しい順番」と「アイテムの相性」**を理解していることが絶対条件になります。ここを間違えると、隠すことも守ることもできず、中途半端な結果に終わってしまいます。

この記事では、タトゥーを綺麗に隠しつつ、強力な紫外線からも鉄壁ガードするための「正しい併用テクニック」を3つ厳選してご紹介します。 さらに、タトゥーの色持ちを良くするためのケア方法や、塗り直しのコツも合わせて解説。これを読めば、もう「隠す」か「守る」かの二択で迷う必要はありません。両立させる賢い方法を手に入れて、夏の日差しを味方につけましょう。

なぜ「隠す」と「日焼け止め」の相性は最悪なのか

具体的なテクニックに入る前に、なぜ失敗する人が多いのか、その根本的な原因を知っておきましょう。敵を知れば、対策が見えてきます。

原因は日焼け止めの「油分」

多くの日焼け止め(特にミルクタイプやクリームタイプ)には、紫外線を防ぐ成分と共に、肌を保護するための「油分」がたっぷり含まれています。 一方で、タトゥー隠しシールやテープの粘着剤、そしてコンシーラーは、油分がある場所には定着しません。 セロハンテープを想像してみてください。油を塗ったガラスにテープを貼ろうとしても、ツルツル滑って貼れませんよね? 肌の上でもまったく同じことが起きているのです。

「守りたい」気持ちが「剥がれ」を招く

「しっかり守らなきゃ」と思って、SPF50+の強力な日焼け止めを厚塗りすればするほど、タトゥー隠しアイテムにとっては過酷な環境になります。 このジレンマを解消するためには、**「油分の少ない日焼け止めを選ぶ」こと、そして「塗る層の順番を工夫する」**ことが不可欠なのです。

タトゥー隠しと日焼け止め、正しい使い方3選

それでは、アイテムのタイプ別に、絶対に失敗しない「最強の併用ルート」を3つ伝授します。自分のスタイルに合った方法を選んで実践してみてください。

1. 【シール・テープ派】「上からスプレー」でコーティング

これが最も簡単で、かつ失敗が少ない王道テクニックです。 ファンデーションテープや肌かくしーとなどの「貼るタイプ」を使う場合、肌とシールの間に日焼け止めを挟むのは厳禁です。

正しい手順:

  1. 完全脱脂: アルコール綿や石鹸で、タトゥー周辺の油分をこれでもかというくらい落とします。
  2. シールを貼る: 清潔な肌にシールを密着させます。
  3. 上から日焼け止めスプレー: シールの上から、スプレータイプの日焼け止めを吹きかけます。

ポイント: シール自体にUVカット効果がある商品も多いですが、シールの「フチ(境界線)」や、その周りの肌が日焼けすると、シールを剥がした時にそこだけ白く残って(逆パンダ状態)目立ってしまいます。 スプレーなら、シールと肌の境界線を跨いで均一に塗布できるので、摩擦を加えずに全体をガードできます。こすらずに「吹きかけるだけ」にするのが、剥がれ防止のコツです。

2. 【メイク・コンシーラー派】「サンドイッチ技法」で固める

コンシーラーやファンデーションで隠す場合は、少しテクニックが必要です。メイクの下地として日焼け止めを使いたいところですが、普通の乳液タイプだとメイクがヨレます。

正しい手順:

  1. ジェルタイプの日焼け止めを塗る: 油分の少ない「水感ジェル」タイプの日焼け止めを塗り、完全に乾くまで5分待ちます。
  2. コンシーラーで隠す: 日焼け止めの膜の上から、コンシーラーを叩き込みます。
  3. UVパウダーで蓋をする: 仕上げに、SPF数値の高い「UVカットパウダー」を大量にはたきます。

ポイント: 日焼け止め(下)とUVパウダー(上)で、コンシーラーをサンドイッチするイメージです。 重要なのは、最初の日焼け止めを「ジェルタイプ」にすること。サラッとした土台を作ることで、その上のコンシーラーが滑るのを防ぎます。仕上げのパウダーは、メイク崩れを防ぐと同時に、紫外線防御効果を補強する役割も果たします。

3. 【物理ガード派】「UVカット機能付き」アイテムに頼る

「塗り直しが面倒」「絶対に焼きたくない」という方は、薬剤に頼らず「物理的に遮断する」のが最強です。

正しい手順:

  1. UVカット率99%のテープを選ぶ: ファンデーションテープなどの中には、紫外線をほぼ通さない高機能なものがあります。これを貼るだけで、タトゥー本体へのダメージは防げます。
  2. アームカバー・ラッシュガードを着用: さらにその上から、着るタイプの日焼け止め(衣服)を纏います。

ポイント: これなら、日焼け止めのベタつきや、塗り直しの手間から完全に解放されます。 特に、施術したばかりで肌が敏感になっている時期(ダウンタイム中)は、日焼け止めの成分が刺激になることがあるため、この「物理ガード」一択です。お気に入りのタトゥーを守るためにも、夏場は薄手のUVカットパーカーやアームカバーを常備しておきましょう。

併用におすすめ!相性の良い日焼け止めの選び方

「じゃあ、どの日焼け止めを買えばいいの?」と迷う方のために、タトゥー隠しと相性抜群のアイテムの特徴を挙げます。

「ジェル」か「スプレー」を選ぶ

しつこいようですが、「ミルク(乳液)」と「クリーム」は避けてください。 パッケージに「水のような使い心地」「ジェル」「ローション」と書かれているものを選びましょう。これらは揮発性が高く、肌に残る油分が最小限に抑えられています。 また、スプレータイプは「髪にも使える」と書いてあるような、サラサラした仕上がりのものがベストです。

「ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)」の優しさ

タトゥーを入れている部分の皮膚は、インクが入っている分、通常よりも少しデリケートになっている場合があります。 特にカラータトゥーの場合、特定の日焼け止め成分に反応して痒みが出ることも。 敏感肌用やベビー用として売られている「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)」の日焼け止めは、肌への負担が軽く、タトゥー隠しシールの粘着剤とも比較的反応しにくい(化学変化でドロドロになりにくい)傾向があります。

よくある失敗とQ&A

Q. こまめな塗り直しが必要って言うけど、どうすれば?

A. これが一番の悩みどころですよね。 メイクやシールの上からクリームタイプを塗り直すのは不可能です(絶対にヨレます)。 塗り直しには、**「スプレータイプ」か「UVパウダー(固形)」**を使ってください。 汗をティッシュで優しく押さえてから、シューッと吹きかけるか、パウダーをポンポンと乗せる。これなら隠した部分を破壊せずに、UV効果だけをリチャージできます。

Q. サンオイル(日焼けオイル)を塗りたい場合は?

A. 残念ながら、タトゥー隠しとの併用は不可能と考えてください。 サンオイルは文字通り「オイル」の塊です。これを塗ったら、どんな強力な防水シールも、プロ仕様のコンシーラーも、一瞬で溶けて剥がれ落ちます。 どうしても焼きたいなら、「タトゥーの部分だけシールで隠し、その周りにオイルを塗る」という器用なことをするしかありませんが、シールにオイルが触れた瞬間にアウトなので、難易度はマックスです。タトゥー部分は諦めてガードすることをおすすめします。

Q. 日焼け止めでタトゥーが変色することはある?

A. 基本的にはありませんが、日焼け止めが白残りして、タトゥーが白っぽく見えることはあります。 また、安価な日焼け止めに含まれる成分が、稀にインクの種類によってはアレルギー反応(痒みや湿疹)の引き金になるケースも報告されています。初めて使う日焼け止めは、タトゥーのない場所でパッチテストをしてから使うのが安心です。

まとめ|正しい順序で、夏もタトゥーも愛そう

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

タトゥー隠しと日焼け止め。 一見、水と油のような関係の二つですが、**「脱脂してから貼る」「上からスプレーする」**という基本さえ守れば、十分に共存させることができます。

せっかく入れた大切なタトゥーです。 「隠すため」に「守る」ことをおろそかにして、数年後に色が褪せてしまっては悲しいですよね。逆に、守ることに必死になりすぎて、隠しに失敗して周りの目を気にするのも辛いものです。

今回ご紹介した3つの方法なら、その両方の悩みを解決できます。 面倒くさがらずに、ほんの少しの手間と正しい知識を持ってケアしてあげること。それが、あなたの肌とアートを美しく保ち続ける一番の秘訣です。

今年の夏は、太陽の下でも堂々と、そして賢くタトゥーと付き合っていきましょう!

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